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日記一覧
- エコープラクシア 反響動作／ピーター・ワッツ
- 2017年01月31日23:54
二部作なのに前作「ブラインドサイト」と照応しない邦題は如何なのものか。「反響動作」って言われても内容の理解に資する訳でなし・・・というのが唯一の不満で、前作の衝撃を軽々上回る傑作SFである。これほどまでに難解で(正直、作者と訳者の解説なしで
- 迷宮１０００／ヤン・ヴァイス
- 2017年01月25日23:54
チェコスロヴァキア産、SFというかファンタジーというか、位置づけに困るユニークすぎる作品。記憶喪失で透明化した探偵とう主人公、１０００層の迷宮的悪夢的建造物から姫を脱出させる、というコテコテにゲーム的なストーリーが、まったく思わぬ方向へ転が
- 雪の炎／新田次郎
- 2017年01月23日21:59
直木賞作家による山岳ミステリ。５人パーティーのうち、山登りの経験豊富な兄だけが遭難死した謎を追う妹…関係者の人数は限られ、明かされる真相も尋常なものだが、それだけに無駄をそぎ落とした構成の上手さが際立つ傑作。ラストシーン、豪雪に閉じ込まれ
- 父帰る・藤十郎の恋／菊池寛
- 2017年01月22日23:09
菊池寛戯曲集、岩波文庫版。切れ味の鋭い、という形容がぴったりくる。ワン・アイディアを徹底的に突き詰めた無駄のない構成だけに、逆に実際に演じるのは難しいかもしれない。短編小説を素材にした作品も多いが、「敵討以上」は「恩讐の彼方」より落ちるが、
- ワールドエネミー 不死者の少女と不死殺しの王／細音啓
- 2017年01月16日23:35
人類の敵たる１２体の怪物アークエネミー！そしてそれを唯一狩る黒コートの銃使いアークキリング！と、要素要素はベタであっても好みなんだけれど、いかんせん極々普通すぎるラノベ。スニーカー文庫か電撃文庫なら許されるけど、これがノベルゼロに収録され
- 私の家では何も起こらない／恩田陸
- 2017年01月13日22:17
幾多の幽霊話に取り巻かれたその屋敷は、小高い丘の上に立っていた―という正調ゴーストストーリーと思わせて、中盤以降、実にチャーミングな変貌を遂げてくれる連作短編。一つ一つはまっとうに怖い幽霊話も立錐の余地もないほど密集されたら、それはなにか
- ゴーリキー短編集
- 2017年01月12日22:57
岩波文庫、上田進・横田瑞穂訳。ロシアの荒涼にして雄渾な自然と、そこに虫のように地に這いつくばるようにして生きる貧民たちの姿と、ロマンとリアルの強烈なるコントラスト。短編集だというのに一つ一つの作品の、この用意には飲み下せぬ重量感。「チェル
- 螺旋のエンペロイダーspin4／上遠野浩平
- 2017年01月11日22:57
「エンペロイダー」という言葉と、異能の少年少女たちと、もちろん世界及び全人類の運命を巡る物語、完結編。「秘密の皇帝」！「虚空牙」！「相克渦動励振原理」！「ナイトウォッチ・エフェクト」！カッコイやら懐かしいやらな怪しげな表題、用語の五月雨う
- 幻想の坩堝 ベルギー・フランス語幻想短編集
- 2017年01月06日22:53
フランス語圏の小説は何故か全然波長が合わないことがあるが、残念ながら本書もそのケースであった。全体に古風なタイプの、虚実茫漠たる幻想小説が多くを占め、うまく浸るだけの集中力が保てなかったこともある。そんな中でもベストを選ぶなら、黒魔術に切
- ロード・エルメロイ�鏡い了�件簿５／三田誠
- 2017年01月05日22:25
case.魔眼蒐集列車・下巻。シメは常にビームでぶっとばす推理物になにを今さら、だが、いつもよりグッと派手目な展開てんこもりで楽しめた。魔眼列車の波動砲みたいな最終兵器だとか、聖槍限定解除だとか、男の子なギミックが満載のサービスっぷり！その挙
- 金色機械／恒川光太郎
- 2017年01月03日22:11
江戸時代の隠れ里を巡る人々の物語に、異能者や宇宙人のロボットが闊歩するファンタジー。人死には多いが伝奇的な陰惨さは薄く、複雑なプロットにも関わらず読みやすい。作中人物の行動を軽々に裁くことのない、突き放しているようでどこか優しい語り口にも
- カムパネルラ／山田正紀
- 2017年01月01日23:22
宮沢賢治作品の二面性と、「銀河鉄道の夜」の３版・４版の相違を絡め、ＳＦミステリに仕立て上げた発想は凄い・・・のだがやや凝りすぎていて、それが鼻に突く感もある。タイムスリップとみせかけて…というネタも早々に予測可能であるし、逆にそちらの世界
