mixiユーザー(id:4550802)

2017年01月01日23:22

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カムパネルラ/山田正紀

 宮沢賢治作品の二面性と、「銀河鉄道の夜」の3版・4版の相違を絡め、SFミステリに仕立て上げた発想は凄い・・・のだがやや凝りすぎていて、それが鼻に突く感もある。タイムスリップとみせかけて…というネタも早々に予測可能であるし、逆にそちらの世界でのロジックはそれほど納得のいくものではない。そんな書誌学的にマニアックかつ不確実な洗脳を執り行うディストピア政体があるものだろうか、という疑問もある。根本的には、元ネタの持つ豊饒さを充分に扱いきれていないことだろう。カンパネルラ殺人事件!探偵・風の亦三郎!というツカミは抜群だっただけに、惜しい。
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