1936年ベルリン五輪、マラソン競技において日本は金・銅2つのメダルを獲得。しかし実際に走ったのは当時日本の支配下にあった韓国生まれの選手たちだった。記録はそのまま日本のものとして残ることを知ったふたりは、新たに才能ある若きランナーを見い出し、祖国の誇りを取り戻すべく伝統あるボストンマラソンに挑む。
監督は「シュリ」「ブラザーフッド」のカン・ジェギュ。過度な時系列の移動や伏線の設定など余分な演出はいっさいなく、母親への追想部分以外サイドストーリーなし、この史実をごくごく真っ当にテンポ良く描いていく。そのぶんセリフにヒネリはなく、脇役(キム・サンホ〜「焼肉ドラゴン」の親父!)のキャラも類型的だけど。
そのテンポの良さが持続したままクライマックスのマラソンシーンに突入、観る側はひと息つく間もなくスクリーンに身を委ねる。2時間29分台で世界新記録、77年も前のこの競技における駆け引きなど判るべくもないが、できるだけ事実に即して再現しているということであれば、かなり粗っぽいレースを体験することになる。
韓国史的に言えば日帝36年の抑圧からの解放直後そして朝鮮戦争勃発直前。当時の日本以上に欧米文化とはまだまだ距離がある一方、アメリカの側から見た韓国観も味わえて興味深い。今回もまた伝記ものにおきまりのエンドロールが展開、我々(私だけか)は何も知らないなあと、反省と感動の混じり合った気持ちのいいフィナーレでした。
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