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2024年07月05日16:30

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「フェラーリ」〜長距離レーサーの孤独

イタリアの伝統ある自動車メーカー創始者、エンツォ・フェラーリ。90年に渡る生涯のなかでももっとも波乱に満ちていた1950年代後半にスポットを当て、公私両面に広がる激動の日々を描いていく。エンツォ役にはアダム・ドライバー。監督はマイケル・マン、たしかに過去作にもカーチェイスシーンが多かったような。

激動と表現したものの、思っていたよりずっと静かなまま淡々と物語は進む。それはイタリア人らしからぬエンツォの冷静沈着なキャラが作用しているせいか。50代後半の恰幅のいい実業家を演じる実年齢41歳のアダム・ドライバー。イタリアンスーツに身を包むガタイの良さ、いつの間にこんな渋い役を…という好印象。

エンツォの心持ちは、会社経営にも関わる妻ラウラ(ペネロペ・クルス)と愛人リナ(シャイリーン・ウッドリー)のあいだで揺れ動き、常に実業に影を落とす。いや実際のフェラーリ氏は、イタリア政界や財界あるいは裏社会とのつながりを持っていたと確信するが、今回はあえて彼の孤独感を浮き彫りにしたかったのだろう。

イタリア公道を縦断する長距離レース“ミッレミリア”がクライマックス。もちろんその迫力は十分に堪能できたものの、スクリーンは終始セピア調かつ陰影にあふれ、過去のカーレース名作いくつかよりも、イタリア名家の盛衰という連想からむしろ一昨年の「ハウス・オブ・グッチ」(こちらもアダム出演)を思い出しました。

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