ホン・サンス監督最新作品。都会の片隅にある4階建のアパートが舞台、ひとりの男そして彼をとりまく女性たちが織りなす人間模様。映画監督のビョンス(クォン・ヘヒョ)は娘のジョンスを連れて、インテリアデザイナーとして活躍する旧知の女性ヘオクのもとを訪ねる。その4階建アパートの所有者もまたヘオクだった…。
テーブルを挟んだ複数の人物。固定されたままのカメラはただただ彼らの会話を映していくだけ…これがまさにホン・サンス世界の通行手形。そしてキーアイテムは過去にも何度か舞台となった都会の集合住宅。今回はフロアごとに登場する女性たちが、ビョンスの心をかき乱し、ワインの酔いがそれをさらに増長していく。
世間的には高い地位にいるものの、実際はだらしなく情けない主人公の男…監督本人の投影と誰しも解するこれもまたサンス作品における共通項、まずはビョンスに感情移入すべきか。ところが観終わったあとにレビュー等を覗くと、どうやら時系列が随所でいじられてあり、さらにビョンス自身の回想や妄想も混じっていると。
こういう側面にはまったく気づかないまま、この密空間会話劇に消化不良を感じながらの97分だった。ただただ自分の読解力のなさを恥じるのみ、できることならどなたかにきちんとした説明をいただきたく思っているところです。ちなみにスクリーンいっぱいにハングル1文字が大きく出る原題の直訳は”塔“とのことでした。
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