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2024年03月15日06:10

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映画「コットンテール」

作家の兼三郎(リリー・フランキー)は、愛妻の明子(木村多江)を亡くし、茫然とした状態。
葬儀の時間が迫っているのに、初めて彼女と会った店に、ふらりと出かけて行く。
思い出の中で、若き日の兼三郎(工藤孝生)は、可憐な明子(恒松祐里)に見とれていた。

息子のトシ(錦戸亮)に促され、兼三郎はようやく葬儀場へ。
住職から「奥様から三年前にあずかっていた手紙」を渡される。

明子は昔、父親の仕事の都合で、一時期イギリスに滞在していたことがあった。
思い出の地・ウィンダミア湖に、遺灰を撒いてほしい、と「手紙」には書かれていた。
明子の遺品に、彼女が幼い頃、その湖のほとりで撮った写真があった。

トシの妻・さつき(高梨臨)と孫娘・エミも同行することになり、兼三郎らはイギリスへ。
しかしどうも兼三郎と息子にはわだかまりがあるらしく、意思疎通もスムーズでないし、ぎくしゃく。
ロンドン観光のあと、目的地の湖水地方へ行く列車をめぐってひと悶着。
兼三郎はひとりで行く、と列車に乗るが、逆方向の列車に乗ってしまい、あげく、下車した駅で自転車ドロボーをやらかす始末。

兼三郎は雨に打たれ、見知らぬ丘陵地帯をさまよう。
ようやくみつけた農家をたずね、そこに住む親娘に、助けを求めるのだった。
風呂に入れてもらい、食事までごちそうになるが、兼三郎は、その家のジョン(キアラン・ハインズ)も、最近妻を亡くしたことを知る。
彼らは結局兼三郎を、湖のそばまでクルマで送ってくれた。
兼三郎は明子の遺灰をいれた紅茶の缶を「JAL」の鶴のマークが入ったショルダーバッグに入れ、大事に持ち歩いていた。

兼三郎の身勝手な行動に振り回され、困惑しながらも、トシはようやく父親と携帯で連絡が付いたことに安堵する。
しかし、明子が写った湖の木立ちの場所がわからず、必死で探し続けることに・・


映画のタイトル「コットンテール」とは、湖水地方を舞台にした「ピーターラビット」に出てくるうさぎの名前。
兼三郎と明子が出会った時も「うさぎ」の話で会話がはずむ。
兼三郎とトシのあいだには、何かいざこざがあったらしい。親子の確執については具体的には、劇中、触れられない。

明子は生前、認知症を発症し、病に倒れる。
ずっと守ってやる、と言ったものの、苦しむ明子を介護しながら苦悩する兼三郎。

映画は、若い頃の兼三郎と明子、中年になっても仲睦まじい兼三郎夫婦の回想シーンを織り込みつつ、イギリスの片田舎を珍道中のロードムービー。

いい歳したオッサンの兼三郎がとにかくワガママ。
頑迷で、息子の説得にも耳を貸さず、とにかくめんどくさいキャラなのだ。
こういうオッサンを演じるには、まさにリリー・フランキーがぴったり。

辛い介護も看病も、長く妻を愛してきた年月があってこそ。
輝くような思い出とともに、亡き愛妻の願いをかなえるために、異国をさまよう兼三郎の姿が切ない。

本作は日英合作映画で、パトリック・ディキンソン監督作品。
兼三郎は、英語教師もしていた、という設定だけど、リリーさんの英語はイマイチです(;´∀`)

ああ、そういえばわたしの亡母も生前、
「わたしが死んだら、ライン川に遺灰を撒いてね〜」と言ってたなあ(;´∀`)。
あれはもうずいぶんと前で、遺言と言うより戯れ言で、一度も海外旅行をしたことのなかった母が「ちょっと遠い、あこがれの観光地」を挙げただけだったと思うが。
お母さん、ホントにライン川に撒いてほしいなら、天国から旅費を送ってね〜
(3月13日、KBCシネマ)
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