ロックンロール創始者のひとり、1950年代後半にヒット曲を連発したリトル・リチャード波乱の生涯を追ったドキュメンタリー。資料映像をほぼ年代順にならべ、多彩な証言者へのインタビューを挟んでいくオーソドックスな作りながら、今回はインタビュイーの側に人文学者など”学究肌”が何名か混ざっていたのが興味深かった。
おそらくそれはリトル・リチャード自身が、人種差別・性差別などマイノリティーの壁を乗り越え偏見と闘ってきた歴史の持ち主、研究対象にふさわしい存在だということだろう。バリエーションあふれる映像を、観る側をあきさせないスピーディーな編集によって、ポジティブな反面センシティヴな人物像がくっきりと映し出される。
ついつい50'sのロックンロールをひとからげにしてしまいがちな我々の世代としては、彼がビートルズやストーンズと邂逅するあたりでやはり身を乗り出す。インタビュイーとして登場するポールとミック、きっちり「のっぽのサリー」が引用されたポールはともかく、ストーンズにあたえた影響を語るミックの言葉が短かくも印象的だった。
リトル・リチャードがややキワモノ扱いされた要因のひとつ、奇抜できらびやかヴィジュアル面は、70’sを飛ばして80’sのキラキラポップに継承されているような。ときおり挾まれる今回新たに創られたいくつかの映像、それらはけっこうチープでいかにも彼のキッチュな世界を具体化、実に巧くハマっていたように思います。
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