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2024年02月10日16:30

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「一月の声に歓びを刻め」〜喪失からの解放道半ば

北海道・洞爺湖の中島、伊豆諸島・八丈島、大阪・堂島が舞台。愛する存在を失った悲しみのさなかにいる人たちが、魂の再生を試みようともがく3つの物語。カルーセル麻紀・哀川翔・前田敦子がそれぞれの主人公。監督そしてオリジナル脚本は「幼な子われらに生まれ」「Red」の三島有紀子(3つの”島”が舞台で”三島”ということか)。

正直言ってちょっとしんどい作品。3つの物語がどこかでつながってくるのかと思い、それなりのヒントみたいなものも見いだしたけど、結局はまったくリンクせずそれぞれが独立。”喪失からの解放”という共通したテーマは誰しもすぐわかるけれど、そこから1歩踏み込むと、思考回路をかなり巡らせることになるのではというのが第一印象。

前田敦子が相変わらずすぐ感情的になる女性を演じる3話目は、三島監督が生まれ育った意外に下町風情が残るエリア(大阪のひとには「出入橋きんつば屋」裏一帯といったほうがわかりやすい)が舞台、しかもモノクロになっていて、この部分は監督自身の心に深く残る傷から解放される解毒作用に期待して制作したのだろうと推察できる。

そうでないと、これまで非常にていねいに組み立てられた、自身の手になるオリジナル脚本にこだわってきた三島監督が、ここまで観る側を突き放した作品を世に問うわけがないと思う。おそらく北海道の厳しい自然に立ち向かう、カルーセル麻紀一世一代の鬼気迫る演技だけが、のちのち語り継がれることになる作品だと思います。
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