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2023年12月15日16:40

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「ティル」〜かくも強き母親の愛

1955年、シカゴの空軍施設で唯一の黒人女性として働くメイミー・ティル(ダニエル・デッドワイラー)。休暇中の彼女は14歳の息子エメットをミシシッピー州の親戚宅に預ける。ところが白人女性に口笛を吹いたという理由だけで、エメットは誘拐されリンチの果てに殺されてしまう。悲報を聞いたメイミーがとった果敢な行動とは…。

ナイジェリア出身の監督シノニエ・チュクワによる実在の事件の映画化。米公民権運動とその周辺を取り上げた作品はほぼ毎年のように制作され、そのたびに我々は新たな事実と存在を学んできた。ただ今回に関しては、歴史的背景や事件の経過よりも、ただただシンプルに我が子を愛する母親の思いのほうが強く刻みこまれた。

そう思わしめているのは何度となくスクリーンに大きく広がるメイミーの表情。エメットが殺害される前でもどこか憂いを含み、大きな悲しみに満ちたあとはむしろ力強い顔つきに。不慮の事故や理不尽な事件でいきなり愛する子供を奪われた母親、現代日本でもメディア経由で見かける光景に思わずダブらせてしまったのかもしれない。

製作者のひとりそして祖母役にウーピー・ゴールドバーグ。エンドロールに流れる楽曲がとても力強く好印象を持ったが、残念ながらクレジットを見落としてしまった。そろそろことしのベストテンを選ぶ時期がやってきたけど、これぞことしの終盤を彩るにふさわしい作品、有力なランクイン候補になり得ると確信しました。
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