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2023年12月09日16:30

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「映画 窓ぎわのトットちゃん」〜ユニークな戦前教育

世界的ベストセラーは未読。ただ今回わずかながらナレーションを担当している著者自身が、これまで随所で少女時代のエピソードを語っているから、なんだか読んだような気分にも。ずっとアニメ化されていなかった作品が、いまこの世界で戦火の絶えない時代に実現。あえて設定したのかどうか封切も12月8日だったし。

たしかにトットちゃんはせわしない女の子。戦前とは思えないモダンで裕福な家庭でのびのび育つも、いわゆる一般的な学校では受け入れ拒否、自由な教育で知られるトモエ学園の門をくぐる。待ち構えていたのは大きな心の持ち主・小林先生(声・役所広司)。トットちゃんはともかく、他の級友たちはその後どんな人生を重ねたのだろう。

やがて学年が進むとトットちゃんも多少は女の子らしいお姉さんに、もう“窓ぎわ”なんかではなくトモエ学園のど真ん中。ただそのあたりからわが国は徐々に戦時色に染まり、それまでパステル調がメインだったスクリーン全体の色彩もどこか陰影を帯びて、さらに背景を行き交う人々の表情もだんだんと険しさが増していく。

この物語の山場として用意されたつらい出来事は、私自身も小学生の時に体験。あのときとほぼ同じ悲しい知らせの受け止めかただったので思わず涙腺がゆるんでしまった。ふだんアニメはあまり観ないので作品としての評価は難しいけど、戦時下における“裕福な家庭と自由な教育”の記録としては価値のある作品だと思いました。
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