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2023年11月21日16:54

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記念すべき第1作

 9月より続いている「007」4Kレストア版リバイバル。
 おかげさまでようやく記念すべき第1作「ドクター・ノオ」を観ることができましたよ。
 いやー、ありがたや。

 冒頭のタイトルバック、ピョロロロロン、と間抜けな音で始まるので、おやおやと思いましたが、そのあとでお馴染みの「ジェームズ・ボンドのテーマ」が流れ出し、思わず心が躍ります。
 盲目のフリをした三人の殺し屋の巧みな暗殺シーン、MI6ジャマイカ支部襲撃、そして我らがジェームズ・ボンド颯爽登場と、オハナシの運びもテキパキしてて快調。CIAエージェントのフェリックス・ライターとの出会いもシリアスなスパイ活劇のムードを漂わすハードさでシビれますな。
 製作陣も流石にこれが60年も続く大シリーズになるとは思わず、潤沢な制作費を準備していなかったらしいですが、ケン・アダムの見事な美術は予算不足によるお寒い状況を全く感じさせないくらいにゴージャス。特に後半に出てくるドクター・ノオの原子力プラントのセットやボンドたちを監禁する、妙に豪華な部屋の作りなど、目を瞠るものがありますね。
 こういうところは当時の日本映画ではとても太刀打ちできなかったようです。和製スパイ活劇「国際秘密警察 火薬の樽」など、関沢真一の脚本はすこぶる面白いのですが如何せんセットやロケがわびしくて。そこはプログラム・ピクチャーの制作状況の限界といったところでありましょうか。

 しかしまあ、今の目で見るとヒロイン役のハニー・ライダーの扱いはかなり雑というかテキトーですね。彼女が登場する必然性って物語の上では全くの皆無なんですよ。ただの彩り的な存在、お色気担当って感じ。
 思えば、先日観た「サンダーボール作戦」のヒロイン、ドミノもほぼしどころのないポジションでしたねえ。いわゆる「ボンド・ガール」ってのはその程度の扱いで、これでは「ボンド映画は男尊女卑の権化」みたいに言われるのも仕方ないのかも。
 「二度死ぬ」のアキとキッシー、「女王陛下」のテレサあたりは例外的に活躍した方ですが、ボンドと対等のポジションとは言えません。この慣習(?)が変わったのは「私を愛したスパイ」あたりから。シリーズ開始から実に15年であります。

 マチズモの象徴みたいな面もある007シリーズですが、これぞ大人のオアソビ!これぞスパイ冒険活劇!という愉悦を観る者に与え続けてきたこともまた確か。
 「ノー・タイム・トゥ・ダイ」でひと区切りとなった同シリーズですが、またいつか装いも新たに復活することでしょう。それまでは旧作群を何度も見直しつつ、待つといたしましょう。
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