検事の寺井啓喜(稲垣吾郎)は不登校の息子を巡って妻と対立。さえないパラサイト、モールで販売員として働く桐生夏月(新垣結衣)は、中学同級の佐々木佳道(磯村勇斗)の帰郷を知り気持ちが揺れる。ダンスサークルのイケメン大学生諸橋大也(佐藤寛太)の心はいつも閉じたまま・・・。原作は朝井リョウ同名小説、監督は岸善幸。
ダイバーシティが叫ばれている社会でもがきながら生きるいくつかの存在を並行させ、SNSや動画配信などを小道具にし、イマ風の言葉で包みながら描いていく群像劇。その先にはそれなりの交差が待っているものの、問題は性的指向を始めとした登場人物それぞれの事情に、観る側がどこまで許容かつ感情移入できるかということ。
「日本はいつのまにこんなややこしい社会になったんや」というのが正直な第一印象。多様性を尊重する側からすれば、もちろんそれは噴飯ものの見解だろう。おそらく我々の世代の大半は、後半に向かうにつれて真っ当な存在として映る啓喜に気持ちを託するはず。他の存在に共感を覚えたという若いレビュアーが多くいるにもかかわらず。
稲垣吾郎と磯村勇斗、昨年の自分にとっての主演・助演男優賞そろい踏みには期待したけど及第点どまりというところ。”観るあなたが試されている”というこの作品のキャッチコピーは実に的を得ていると思うけど、”傑作か、問題作か”というもうひとつのコピーには「とにかく後味の良くない問題作」と答えようと思いました。
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