作家としての今後に不安を感じた洋子(宮沢りえ)、夫・昌平(オダギリジョー)の仕事もなかなか安定せず、彼女は深い森の中にたたずむ重度障がい者施設に職を得たが…。2016年に相模原市で実際に起きた、重度障がい者施設大量殺傷事件をモチーフにしたヒューマンドラマ。辺見庸の同名小説をベースに石井裕也監督が脚本も担当。
終始重苦しいムードと緊張感のなか物語は進む。洋子とふたりの同僚がその中心。女性職員の陽子(二階堂ふみ)は鋭い言葉を洋子に投げかけ(観る側に対する投げかけでもある)、彼女の気持ちをぐいぐいえぐる。ここではときおり芝居じみた演技が気になる宮沢りえよりも、ごくごく自然にふるまう二階堂ふみの巧さを感じたりする。
徐々に男性職員さとくん(磯村勇斗)の存在感が増してくる。生きるということの意味、人としてのありかたを彼の言葉から受け止めた洋子は自身の来し方を重ね葛藤。やがて重度障がい者と日々対峙する彼の歪んだ思いは、だんだんと狂気をはらんだものとなり、月が照らす夜、極限まで追い詰められた彼はついにある行動に出た。
観賞後、映画.comのレビューで津久井やまゆり園元職員のかたのコメントに接した。星1つ評価のうえ上映中止まで訴える長文を読むとますます気持ちは重くなった。この作品に”年間ワースト映画“の称号を与える評論家も出現するだろうヘヴィーな144分。どちらにしても観る側の意識に鋭く問いかける強烈な問題作だと思います。
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