亡き父のあとを継いで銭湯を切り盛りするかなえ(真木よう子)。学生時代に知り合った夫の悟(永山瑛太)は一年前に失踪、いぜん行方不明のまま。そんなある日、堀と名乗る寡黙な男(井浦新)が住み込みで働かせてくれとやってきた。精力的な映画製作が続く今泉力哉監督「ちひろさん」に続く新作。原作は豊田徹也の同名コミック。
気が強そうに見えるも心の底に何かを抱えたままのかなえ。彼女を中心として悟の不在と堀の存在というふたつの謎を追っていく。このふたり(「福田村事件」でも共演!)は過去どこかでつながっていたのか、それとも…。銭湯を満たす湯水、近くを流れる河川、不穏な空気漂う沼地、タイトルがしめす水の流れが意味するのはいったい何か。
NSC(吉本芸術総合学院)の出身者でもある今泉監督、各作品の魅力は会話から生まれるほのかな笑い。過去作にはない緊張感を抱えた今作において、緩和剤的な笑いを一手に引き受けているのが探偵・山崎役のリリー・フランキー。彼の登場場面と他のシーンとのコントラストがあまりにも強く、かえってこれまでより笑ってしまった。
この作品を単なるミステリーとするならば、謎解きにあたる終盤部分はやや冗長に感じる2時間23分になるかも。寡黙かつスローテンポな今泉作品をどこまで受け入れることができるか。随所で個性的な響きを聴かせる音楽担当に細野晴臣。今回はあらかじめ彼が携わると知っていたので、十分に味うことができました。
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