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2023年06月05日12:00
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東京へ〜ギャラリー58「中村宏 戦争記憶絵図」
(続き)
5/30〜31の東京小旅行、2日目、国立西洋美術館を出て銀座へ。
短い会期だが、銀座4丁目の琉映ビル4階にあるギャラリー58でやっている中村宏の「戦争記憶図」展に今回の東京行がちょうどはまったので、これは是が非でも行かねばと思い観にいった。
・会期 5/16〜6/3
中村宏(1932- )は浜松生れで90歳になる今も前衛芸術のトップランナーの一人として、フルスロットルで走り続けている。注目し、私はこれ迄大小の展覧を観てきた。
大きいものだけピックアップすると、
・2007年4/2のレポート「中村宏 図画事件1953-2007/東京現代美術館」
https:/
・2015年3/8,9のレポート「絵画者 中村宏展/浜松市美術館」
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中村宏のインタビュー動画がギャラリー58のHPに配信されている。
https:/
・・・描く(創作する) × 展示する × 見る(鑑賞する)
展示場は芸術の統一される場として創造(クリエーション)の中央にある。・・・
彼の言葉に従えば、「見る」という事も社会的な創造行為の一環だと言えよう。
年齢に似合わぬ理路と活舌だ。
本展を知ったのは、友人が送ってくれた5/16の静岡新聞記事。
中村は敗戦時12歳、浜松にいて幾度も空襲を経験した。
テーマとする事はあっても、自身の戦争経験を絵にした事はなかった。
80年近く経ち、今回初めて描いたのは戦争の記憶である。
描いてみて、戦争の記憶やその恐怖が彼にとってどれ程大きなものだったか、改めて知る事になる。これ迄幾度も彼の絵に登場してきたセーラー服の少女も、そこに原点があった。
その後たちまち各紙が、この小さな展覧会を記事として採りあげた。
5/20読売新聞
5/25朝日新聞,日経新聞
5/30再度静岡新聞
5/？毎日新聞
狭い会場に、混み合っているという程ではなかったが、観客は次々に訪れた。しかも若い人が多かったのには驚いた。中村宏に対する注目度だろうか。
展示は10点。撮影可となっていたので全部撮り、アップする。ガラスに光の入り込みもあって、写りは芳しいとは言えないが。
《艦砲射撃 1945》3枚組(2023)
《空襲 1945》3枚組(2022)
《機銃掃射 1945》3枚組(2022)
《戦下の顔》3枚組(2020)
以下キャプション
・・・2020年の個展で《4分の1について》という題名で展示していた本作を改題し、《戦下の顔》として改めて展示いたします。
中村は女学校創始者の家に生れ(*1)、学校の敷地内に住んでいたので、セーラー服の女学生は日常の風景でした。中村は長きにわたって、冷たく暗い顔をしたセーラー服の少女たちを描いてきました。その理由についてこれまであまり語ってきませんでしたが、「戦時下に軍需工場で働く女学生や、空襲で逃げる子供たちの、恐怖や絶望、怒りの表情が滲み出てきてしまう」と述べています。・・・
《少女1/4》(2023)
《空襲の記憶〜爆弾》(2023)
《火事と少女》(2023)
《空襲の記憶〜校舎》(2023)
《空襲の記憶〜艦載機》(2023)
《空襲》(2022)
(*1)宏の祖父母(中村萬吉･みつ)が1893年、前身である私塾「不如学舎」を開講。
1902年、地元の貴族院議員と銀行頭取を設立者として「浜松裁縫女学校」を開校。祖母(みつ)が初代校長を務めた。
のち「信愛学園」から現在は「浜松学芸中学校･高等学校」と改称、男女共学になっている。
私学として静岡県内では2番目に古い。
東側に日本楽器製造株式会社(現ヤマハ)があり、当時は軍需工場として戦闘機の木製(！)プロペラ等を作っていた。
1945年7/29、遠州灘の米艦から艦砲射撃を受け校舎を含め浜松市街は焼け野原と化した。
中村は戦争末期に奥浜名湖の引佐郡気賀村(統合され、現在は私の住む浜松市北区細江町内)に疎開。
遠州鉄道奧山線(軽便鉄道、1964年廃線)に乗り、1時間かけて学校(静岡県立浜松第二工業学校、現 静岡県立浜松商業高校)に通っていた。
下は中村が1945年に浜松市内で拾い大事にしていた(捨てるに捨てられなかったと言うべきか)米軍の弾丸と薬莢。
薬莢の底に「TW45」との刻印がある。
製造所等、詳細は以下キャプション参。
戦時下及び終戦後の宏少年の生々しい履歴は、以下中村の「自筆年譜」とインタビューによる「オーラル･ヒストリー」に詳しい。
(続く)
5/30〜31の東京小旅行、2日目、国立西洋美術館を出て銀座へ。
短い会期だが、銀座4丁目の琉映ビル4階にあるギャラリー58でやっている中村宏の「戦争記憶図」展に今回の東京行がちょうどはまったので、これは是が非でも行かねばと思い観にいった。
・会期 5/16〜6/3
中村宏(1932- )は浜松生れで90歳になる今も前衛芸術のトップランナーの一人として、フルスロットルで走り続けている。注目し、私はこれ迄大小の展覧を観てきた。
大きいものだけピックアップすると、
・2007年4/2のレポート「中村宏 図画事件1953-2007/東京現代美術館」
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・2015年3/8,9のレポート「絵画者 中村宏展/浜松市美術館」
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中村宏のインタビュー動画がギャラリー58のHPに配信されている。
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・・・描く(創作する) × 展示する × 見る(鑑賞する)
展示場は芸術の統一される場として創造(クリエーション)の中央にある。・・・
彼の言葉に従えば、「見る」という事も社会的な創造行為の一環だと言えよう。
年齢に似合わぬ理路と活舌だ。
本展を知ったのは、友人が送ってくれた5/16の静岡新聞記事。
中村は敗戦時12歳、浜松にいて幾度も空襲を経験した。
テーマとする事はあっても、自身の戦争経験を絵にした事はなかった。
80年近く経ち、今回初めて描いたのは戦争の記憶である。
描いてみて、戦争の記憶やその恐怖が彼にとってどれ程大きなものだったか、改めて知る事になる。これ迄幾度も彼の絵に登場してきたセーラー服の少女も、そこに原点があった。
その後たちまち各紙が、この小さな展覧会を記事として採りあげた。
5/20読売新聞
5/25朝日新聞,日経新聞
5/30再度静岡新聞
5/？毎日新聞
狭い会場に、混み合っているという程ではなかったが、観客は次々に訪れた。しかも若い人が多かったのには驚いた。中村宏に対する注目度だろうか。
展示は10点。撮影可となっていたので全部撮り、アップする。ガラスに光の入り込みもあって、写りは芳しいとは言えないが。
《艦砲射撃 1945》3枚組(2023)
《空襲 1945》3枚組(2022)
《機銃掃射 1945》3枚組(2022)
《戦下の顔》3枚組(2020)
以下キャプション
・・・2020年の個展で《4分の1について》という題名で展示していた本作を改題し、《戦下の顔》として改めて展示いたします。
中村は女学校創始者の家に生れ(*1)、学校の敷地内に住んでいたので、セーラー服の女学生は日常の風景でした。中村は長きにわたって、冷たく暗い顔をしたセーラー服の少女たちを描いてきました。その理由についてこれまであまり語ってきませんでしたが、「戦時下に軍需工場で働く女学生や、空襲で逃げる子供たちの、恐怖や絶望、怒りの表情が滲み出てきてしまう」と述べています。・・・
《少女1/4》(2023)
《空襲の記憶〜爆弾》(2023)
《火事と少女》(2023)
《空襲の記憶〜校舎》(2023)
《空襲の記憶〜艦載機》(2023)
《空襲》(2022)
(*1)宏の祖父母(中村萬吉･みつ)が1893年、前身である私塾「不如学舎」を開講。
1902年、地元の貴族院議員と銀行頭取を設立者として「浜松裁縫女学校」を開校。祖母(みつ)が初代校長を務めた。
のち「信愛学園」から現在は「浜松学芸中学校･高等学校」と改称、男女共学になっている。
私学として静岡県内では2番目に古い。
東側に日本楽器製造株式会社(現ヤマハ)があり、当時は軍需工場として戦闘機の木製(！)プロペラ等を作っていた。
1945年7/29、遠州灘の米艦から艦砲射撃を受け校舎を含め浜松市街は焼け野原と化した。
中村は戦争末期に奥浜名湖の引佐郡気賀村(統合され、現在は私の住む浜松市北区細江町内)に疎開。
遠州鉄道奧山線(軽便鉄道、1964年廃線)に乗り、1時間かけて学校(静岡県立浜松第二工業学校、現 静岡県立浜松商業高校)に通っていた。
下は中村が1945年に浜松市内で拾い大事にしていた(捨てるに捨てられなかったと言うべきか)米軍の弾丸と薬莢。
薬莢の底に「TW45」との刻印がある。
製造所等、詳細は以下キャプション参。
戦時下及び終戦後の宏少年の生々しい履歴は、以下中村の「自筆年譜」とインタビューによる「オーラル･ヒストリー」に詳しい。
(続く)
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