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2024年05月17日11:00
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岸田劉生･北蓮蔵･曾宮一念〜浜松ゆかりの洋画展/浜松市美術館��
(続き)
次に高須光治という人物に迫ってみる。
・1897(明治30)年、高須光治、豊橋で生まれる。
・白馬会系の画家 島田卓二の影響で写生を開始。劉生も当初(1908〜)白馬会葵橋洋画研究所で絵を学んだ。
・1912年、光治15歳、岸田劉生の初個展(高村光太郎経営の神田･琅玕洞)を観て感銘。
・1914年、画家を目指し上京。白馬会葵橋洋画研究所入所。
・1915年、光治、劉生の許を訪ね、劉生を介して白樺派同人らと会う。代々木で椿貞雄らと共同生活。
この年、劉生のモデルとなる。
同年10月、草土社(*1)の創立に参加。光治、第1回展に10点出品。
・1916年、光治、豊橋に戻る。草土社展には第1,2,3と第9(最終)回に出品した。
・1917年、劉生、結核の疑いとの診断。転地療養のため神奈川県藤沢町鵠沼(くげぬま)の貸別荘に移る。
・1918年、劉生は鵠沼時代、静物画と麗子像に注力。(*2)
・1923年、関東大震災。劉生、京都へ移住。
・1926年、劉生、鎌倉に戻る。
・1927年、光治、横浜に移住。
・1929年12/20、劉生没。38歳。
・1931年、光治、豊橋に戻り、家業の本屋を継ぐ。
豊橋に加え、浜松でも個展(1936/金井呉服店、1953/浜松市立図書館、1961/丸三洋品店)開催。
・1976年、光治「岸田劉生とその周辺」展(浜松市美術館)に出品。
・1987年、本格的な回顧展として「高須光治と草土社」(豊橋市美術博物館)開催。上の3.《高須光治君之肖像》を同館に寄贈。
・1990年12/25、光治、心不全にて没。93歳。
(*1)劉生は第1回展時にグループ名を決めていなかった。
劉生曰く、「代々木の道を歩きながら、会の名前を考えてゐて、不図、道ばたの草を見て、『草土社』といふ名を思い付いた」。
グループ名に関係する作品。
・劉生《草と赤土の道》(1915/浜松市美術館蔵)
劉生の風景画の代表作で国指定重要文化財の《道路と土手と塀(切通しの写生)》(1915/東京国立近代美術館蔵)は同じ頃に描かれた。
光治に、これと構造がよく似た作品《夏の小路》(1919/個人蔵)があり、本展に出品されている。
・劉生《畑と赤土の道(浜松風景)》(1920/福島県立美術館蔵)
冒頭の中日新聞記事に画像あり。
この当時流行していた白馬会(外光派)の情緒的風景画に反発し、路傍の雑草や大地の色等をベースに、重厚な画風を目指した。
草土社メンバー。
岸田劉生、清宮彬、椿貞雄、中川一政、木村荘八、高須光治。のち河野通勢が加わった。
(*2)1917〜23年の鵠沼時代、結核との診断により、医者から戸外制作を禁じられた劉生は、屋内で静物画と麗子像の制作に注力。新境地「内なる美」の探求へ。
「実在の神秘」、「在るといふ事の不思議」に魅せられ、その表現に取り組む。
岸田劉生の画業は「内なる美」を追求した鵠沼時代以降も変貌が続くが、丸地加奈子の講演は高須光治に限定したため、それ以降への言及はなかった。
その辺り、または劉生の生涯の画業の変化に興味がある場合は以下を参照頂けたらありがたい。
・「岸田劉生展/豊橋市美術博物館」('18.9.1記)
https:/
・「岸田劉生展/名古屋市美術館」('20.3.1記)
https:/
最後に、その他作品について、中日新聞記事(4/17〜21)を付け加えておく。
本展展示品は全約70点、内、劉生13点、北蓮蔵18点、曾宮一念14点だった。
北や曾宮についても書きたい事柄は多々あるが、またの機会とする。
〈参考資料〉
・講演「岸田劉生《高須光治君之肖像》を中心に」
講師 丸地加奈子(豊橋市立美術博物館学芸員)
・図録『岸田劉生･北蓮蔵･曾宮一念〜浜松ゆかりの洋画展』
執筆 増井敦子、内山智恵(浜松市美術館学芸員) 他
発行 2024年4月、本展実行委員会(浜松市、中日新聞東海本社、テレビ静岡)
次に高須光治という人物に迫ってみる。
・1897(明治30)年、高須光治、豊橋で生まれる。
・白馬会系の画家 島田卓二の影響で写生を開始。劉生も当初(1908〜)白馬会葵橋洋画研究所で絵を学んだ。
・1912年、光治15歳、岸田劉生の初個展(高村光太郎経営の神田･琅玕洞)を観て感銘。
・1914年、画家を目指し上京。白馬会葵橋洋画研究所入所。
・1915年、光治、劉生の許を訪ね、劉生を介して白樺派同人らと会う。代々木で椿貞雄らと共同生活。
この年、劉生のモデルとなる。
同年10月、草土社(*1)の創立に参加。光治、第1回展に10点出品。
・1916年、光治、豊橋に戻る。草土社展には第1,2,3と第9(最終)回に出品した。
・1917年、劉生、結核の疑いとの診断。転地療養のため神奈川県藤沢町鵠沼(くげぬま)の貸別荘に移る。
・1918年、劉生は鵠沼時代、静物画と麗子像に注力。(*2)
・1923年、関東大震災。劉生、京都へ移住。
・1926年、劉生、鎌倉に戻る。
・1927年、光治、横浜に移住。
・1929年12/20、劉生没。38歳。
・1931年、光治、豊橋に戻り、家業の本屋を継ぐ。
豊橋に加え、浜松でも個展(1936/金井呉服店、1953/浜松市立図書館、1961/丸三洋品店)開催。
・1976年、光治「岸田劉生とその周辺」展(浜松市美術館)に出品。
・1987年、本格的な回顧展として「高須光治と草土社」(豊橋市美術博物館)開催。上の3.《高須光治君之肖像》を同館に寄贈。
・1990年12/25、光治、心不全にて没。93歳。
(*1)劉生は第1回展時にグループ名を決めていなかった。
劉生曰く、「代々木の道を歩きながら、会の名前を考えてゐて、不図、道ばたの草を見て、『草土社』といふ名を思い付いた」。
グループ名に関係する作品。
・劉生《草と赤土の道》(1915/浜松市美術館蔵)
劉生の風景画の代表作で国指定重要文化財の《道路と土手と塀(切通しの写生)》(1915/東京国立近代美術館蔵)は同じ頃に描かれた。
光治に、これと構造がよく似た作品《夏の小路》(1919/個人蔵)があり、本展に出品されている。
・劉生《畑と赤土の道(浜松風景)》(1920/福島県立美術館蔵)
冒頭の中日新聞記事に画像あり。
この当時流行していた白馬会(外光派)の情緒的風景画に反発し、路傍の雑草や大地の色等をベースに、重厚な画風を目指した。
草土社メンバー。
岸田劉生、清宮彬、椿貞雄、中川一政、木村荘八、高須光治。のち河野通勢が加わった。
(*2)1917〜23年の鵠沼時代、結核との診断により、医者から戸外制作を禁じられた劉生は、屋内で静物画と麗子像の制作に注力。新境地「内なる美」の探求へ。
「実在の神秘」、「在るといふ事の不思議」に魅せられ、その表現に取り組む。
岸田劉生の画業は「内なる美」を追求した鵠沼時代以降も変貌が続くが、丸地加奈子の講演は高須光治に限定したため、それ以降への言及はなかった。
その辺り、または劉生の生涯の画業の変化に興味がある場合は以下を参照頂けたらありがたい。
・「岸田劉生展/豊橋市美術博物館」('18.9.1記)
https:/
・「岸田劉生展/名古屋市美術館」('20.3.1記)
https:/
最後に、その他作品について、中日新聞記事(4/17〜21)を付け加えておく。
本展展示品は全約70点、内、劉生13点、北蓮蔵18点、曾宮一念14点だった。
北や曾宮についても書きたい事柄は多々あるが、またの機会とする。
〈参考資料〉
・講演「岸田劉生《高須光治君之肖像》を中心に」
講師 丸地加奈子(豊橋市立美術博物館学芸員)
・図録『岸田劉生･北蓮蔵･曾宮一念〜浜松ゆかりの洋画展』
執筆 増井敦子、内山智恵(浜松市美術館学芸員) 他
発行 2024年4月、本展実行委員会(浜松市、中日新聞東海本社、テレビ静岡)
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