すべての時間ピアノに向き合ったまま、ディランは直近作「ラフ&ロウディ・ウェイズ」から9曲も歌った。さらにツッコむとこのアルバム全10曲中の、あるいはこの日のセットリスト全17曲中の9曲だ。アルバムタイトルがそのままツアータイトルになっているとはいえ、これってまるでJ-POP言うところの東名阪レコ発ツアーやん。
そして既存曲もこれまでと同様、ほとんど原形をとどめず披露。観客は単純なコード進行の繰り返しに焦らされ、サビの部分や曲タイトルが歌われて初めてああこの曲かと喝采を贈る。ただ歌詞を最初から手の内に入れている”ディラン信者”は歌い出しのフレーズだけで反応、そう観客それぞれの”ディラン度“を試されているかのよう。
そして今回注目点はグレイトフル・デッド楽曲再三のカバー。さらにこの最終日は世界初公開のカバー(厳密にはメンバーのソロ楽曲)があったと、究極のディラン信者・菅野ヘッケル氏は日々深夜にUPするブログで熱く語っていた。他にも氏は最終日の観客が嬉しくなる言葉をいくつか残していたけど、それは孫引きになるのでやめておく。
とにかくディラン御大の歌声は思っていたより、少なくとも2010年よりはクッキリと大きく伸びていた。そしてあの独特のぶっきらぼうな節回しが聴こえてくるとなんだかとても嬉しい気持ちになった。御大あと1か月で82歳、時代が変わってもいつまでも若く我が道を行ってほしいと、夜風に吹かれてしみじみ思った次第です。
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