9.11アメリカ同時多発テロ。弁護士ケン・ファインバーグ(マイケル・キートン)は、7000人にもおよぶ犠牲者にたいする政府設立補償基金プログラムの責任者。彼は独自に”命の値段”を算出するが、被害者遺族から反発をくらいプログラムは遅々として前へ進まない…。オバマ元大統領夫妻が創立した映画製作会社が配給権を獲得。
人の命に値段をつける〜もちろん犠牲者個々によって違ってくる補償金額の多寡が最大の問題点。ただいくつかの被害者遺族はそれだけで済まない特別な事情を抱えている。初めのうちはビジネスライクに割り切って事業を進めていたケンと彼のチームは、遺族たちと対面するうちすこしずつ彼らに心を寄せるようになってくる。
ふつうこの手の作品であれば、ラストに法廷場面を用意、切れ味鋭い幕切れによってカタルシスを得られるのだけど、今回はそもそも訴訟大国アメリカにおいて裁判沙汰をさけるための事業、事実に反した法廷場面が望めるわけもなく、終盤の展開はあまりスッキリしないまま。おそらく法務関係に詳しければ劇的な幕切れと映るのかと。
事業に反対する組織のリーダー、チャールズ・ウルフ(スタンリー・トゥッチ)が非常に理性的な人物であることが興味深かった。事実との真偽はともかく、ふつうならここにはもっと感情をむき出しにする人物を配するはず、ケンとチャールズが対峙する場面は、演技派の名優ふたりが向き合うこの作品の大きな見せ場だと思います。
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