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2023年02月11日17:00

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「バビロン」〜虚栄と錯乱の189分

舞台は1920年代のハリウッド。サイレント時代の大物俳優ジャック(ブラッド・ピット)、こわいものなしの新進女優ネリー(マーゴット・ロビー)、映画製作の世界に憧れる青年マニー(ディエゴ・カルバ)。この3人を軸に虚栄の市のクレイジーな人間模様を描いていく。監督は「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル38歳。

なんでもありのゴージャスな酒池肉林、エログロのグロのほうが突出して作品全体を覆う。サイレントからトーキーへに向かう銀幕の世界、実際の作品や俳優をいくつか織りこんでいくも、時代考証の正確さもふくめその節操のなさに果たしてチャゼル監督に映画愛はあるのかと、この作品に関しては随所で不支持の憂き目に遭っている。

たしかにネリーが持つ雰囲気は、もう少しあとの時代の女優のそれに近いように思えるし、前半に登場する女性監督(オリビア・ハミルトン〜チャゼル監督の妻)の立ち居振る舞いはほとんど現代の女性。そしてまたもや”映画もの”のおきまりかと思わせる、終盤のワンシーンに続く映像表現もまったく時代を無視した自由気ままなもの。

支持する側の見解は、この作品は現在のハリウッドに横たわる諸問題〜ハラスメント・ジェンダーギャップ・過度なモラル規制等々〜の壁を突き破るためのチャゼル監督によるテーゼだと。とにかくじっとしていないエネルギッシュな189分、観終わったあとたいして何も残らないけど、とことんまで突き抜ける痛快感だけは保証します。


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