設営バイト先の絵画展会場で一枚の水墨画に魅入られた大学生の青山霜介(横浜流星)。即興アートのため来場していた水墨画の巨匠・篠田湖山(三浦友和)から声をかけられ、運命的なものを感じた霜介は湖山の工房に日参、するとそこには湖山の孫であり直弟子の千瑛(清原果那)がいた…。監督は「ちはやふる」の小泉徳宏。
霜介と千瑛のあいだに横たわる微妙な空気感、それぞれの過去をちらつかせながら物語はすすんでいく。千瑛の側には思ったほどのトラウマがなかったのは残念だったが、霜介の過去があらわになる部分がひとつのクライマックス、ただ直接的に水墨画の世界とつながるような事象はなかったように思うのはこちらの読みの浅さかも。
清原果那の凜とした美しさが十分に引き出されていることは特筆、もうひとりの弟子・湖峰(江口洋介)が脇に徹していて、もったいないなと思っていたらきっちり見せ場が用意されていたのはお見事。あと脇と言えば河合優美ちゃん、今回は狂言回しに徹していたけど、どんなキャラでも巧みに演じる力量には参るばかり。
なにもない平面に白黒の濃淡のみ、筆先が描く線だけですべてを表現、そしてそこはあくまでも静寂の空間。シンプルの極致をどのように映像化し観る側を引きつけるか〜この好奇心には十分すぎる解答。この作品を観て水墨画の世界に飛びこむ若者もいるかと。味わいあるエンドロールはこの芸術にたいするリスペクトと解釈しました。
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