90年代後半、英国出張の際にはウエストエンドでミュージカルばかり観ていた。欧州におけるウチの会社の拠点がパリに移行、ロンドン支店が閉鎖となったおかげで、ここぞとばかり一杯やりながら社内諸事情を探ろうとする現地駐在員につきまとわれることもなく、ロンドンの夜は意外とひとりになることが多かったから。
もちろん取引先社員が一緒の時は何をおいても接待めしが最優先。ただ、まれにミュージカルに興味を持つひとがいるとそろって鑑賞。10日ごとに刷新、折りたたみ地図のような無料のロンドン劇場ガイドが空港やホテルには常備。ミュージカルに限らず、その日にロンドンで観れるすべての舞台エンタメが詳しいデータとともに網羅。
一日の仕事を終えて、ホテルの部屋でそのガイドを広げ、あれやこれやと迷うひとときこそ至福の時間。チケットに関して言えば、当時BIG3と言われた「レ・ミゼラブル」「オペラ座の怪人」「ミス・サイゴン」以外であれば当日でも入手可能、座席に贅沢を言わない限りは、開演直前の飛び込みでもなんとかなったのだ。
そういえばある時のこと、当日券売場に並んでいたら大柄な白人男性が近づいてきて、ミュージカルに興味はないのでチケットを差し上げるという。ラッキーとばかり頂戴して着席すると周りはすべてドイツ人団体観光客。怪しげなアジア人がなぜか混ざっているとばかりジロジロ見られた私は文字通りの孤“独“を味わったのでした。
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