1936年生まれというからことしで86歳。和歌山・高野山生まれ、奈良・五條育ち。貸本漫画ホラー作品の描き手としてスタート、数多くのヒット作を生み出しながら、マルチなパフォーマーとしても活躍。マンガとアートのあいだを駆けめぐる奇才の大美術展。会期は11月20日まで、東京は六本木ヒルズにてことし1〜3月に開催済。
まずは個人的な楳図体験。何をおいても「おろち」、これほど続きが気になる週刊マンガ連載は後にも先にもなかったかと。歌のお兄さんにとんでもない裏の顔、という物語はめちゃめちゃ怖かった。「黒いねこ面」では生まれた赤ん坊に「男の子ですか、女の子ですか?」と訊く親、医師が冷静に「猫です」と言うのにもまたゾクゾク。
ただ「漂流教室」はあまり読んでないし「まことちゃん」や「わたしは慎吾」はまったくの未読。その「わたしは慎吾」27年ぶりの描きおろし新作続編というのが今回の目玉。4年の年月をかけて描いたというアクリル絵画101枚による連作展示、入場者は誰しもじっくりと時間をかけてストーリーを追うので、このパートは大渋滞。
単なる回顧展に終わらせたくないのか、生い立ちをたどった資料や名作解説は思ったより少なめ。ただ過去作品で描かれている”近未来”とはまさにいまこの現代、大規模自然災害や人為的ミスによる大事故そしてパンデミック、けっこう予言が当たっている展開もいくつか、その終末感にはなにやら不気味なものを感じた次第です。
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