悪運ばかりがつきまとう殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)。彼に与えられたミッションは東京発の超高速列車車内からいわくつきのブリーフケースを盗み、次の品川駅で降りればいいというイージーな任務。ところが予期せぬ災難が彼を待ち受けていた…。伊坂幸太郎原作のハードボイルド作品をデヴィッド・リーチ監督が映画化。
回想場面をいくつか挟みながらもスピード感を最優先、途中下車を許さないノンストップムービー。ユーモラスな匂いで作品全体を包みながら、アクション映画には必須の機知に富んだアイデアもふんだんに盛り込まれ、破天荒なラストまで一気に突っ走る。伊坂作品の特徴、バラまかれた伏線が次々回収されていく快感もきっちり用意。
過去幾度となく海外の映画から味わってきた“なんちゃってニッポン”、その究極がここに。我が国民の寛容さと耐性におもねたうえであえて開き直ったかのような、自由気ままなジャパンカルチャーの搾取。コロナ禍がなければ敢行したとも聞くけれど、どこの国よりも規制が厳しい映画ロケにたいする皮肉と考えるのは大げさか。
真田広之の存在感、もちろん英語でのセリフの重みが作品全体をグッと引き締め、サンドラ・ブロックの登場は彼女の代表作にたいするオマージュか。思わぬところでいくつか流れるのは日本のおなじみ流行歌。上映時間は2時間16分、のぞみ号での東京ー京都の所要時間とほぼ同じなのは単なる偶然とは思えません。
ログインしてコメントを確認・投稿する