旧統一教会と自民党右派との深い関係

旧統一教会に恨みを持つ男が教会と関係の深い
安倍元首相を殺害したことで、急に協会と
安倍氏ら自民党右派との関係が注目されて
いるが、この関係は秘密でもなんでもなく
知っている人は昔から知っている話だ。

僕が大学生の頃、というともう50年も昔の
話だが、国際勝共連合という団体があって、
反共産主義の右翼団体としてキャンパスで
熱心に勧誘活動をしていた。そして統一教会も
その後に霊感商法や集団結婚で有名になった。

この統一教会と勝共連合は創立者・オーナーが
同一人物である。教会の霊感商法というのは、
教祖の著書やハンコなどを数百万円で売るという
あくどい商売だ。また、教会のアレンジで会った
ことのない韓国人男性と結婚した日本人女性も多く、
この中にはアイドル歌手だった桜田淳子や
新体操の山崎浩子も含まれる。

もちろんインチキ商売だから犯罪とされ裁判で
有罪が確定したわけだが、教会に対しては解散
命令はなかったようだ。教会も強引な勧誘や
資金強要をやめるということで“再出発”したと
される。（まあ実際は名前を変えただけで中身は
変わっていなかったようだ。）

いずれにせよオウム真理教よりはるかに大きな
会員を擁するカルト集団である。自民党の先生方が
知らないというなら、新聞もテレビも見ていなかった
ということだ。知っていながら、教会の集票に
期待して、教会のイベントに挨拶したりメッセージを
送ったりしていたのだから、節操がない。

教会にしてみれば、国会議員から挨拶やメッセージを
もらうということは、お墨付きを得たということで、
過去の悪行を帳消しにできるし、信者獲得のための
活動もやりやすくなるというわけだ。

たぶん大方の自民党の議員は、教会の教条などには
関心がなく、票さえ得られればという気持ちかも
しれない。

だが、安倍元総理は違う。祖父の岸元首相からの
三代にわたる関係である。反共・右翼組織である
勝共連合をサポートしてきた。また、統一教会の
家族感は、戦前の日本の家族感に近く、昔の
家族感を持つ安倍氏は共感したのであろう。

安倍氏の実弟である岸防衛相は、旧統一教会との
関係を認め、彼の選挙においても教会から
運動員を派遣してもらったことを述べている。
これは開き直りだ。

反社会的勢力である旧統一教会と関係を維持
してきた多くの自民党議員。この関係をなんとも
思っていない感覚は、おかしすぎないか。
当事者ももちろんだが、一般国民の感度も
鈍っているのではないか。

安倍元総理を殺害した犯人の蛮行はけっして
赦されるものではない。もし彼が安倍氏でなく
教会幹部を殺害していたら、この事件はオカルト
集団をもう一度焦点するだけで終わっていたかも
しれない。

安倍氏を殺害したことで、同氏を含む自民党右派
議員と統一教会との関係が一般の人々に知られる
ことになった。犯人は本望を果たしたと言える
のではないだろうか。