こちらリアルタイムでは彼の晩年しか知らず、ショービジネスの彼方ととらえていたので当時あまり興味のない存在。なのでクイーンやエルトンの伝記映画を観たときのような、ちょっとしたエピソードにニヤリとすることはなく、同じくアレサやJBのときのような、音楽的史実にたいする探究心が刺激されるわけでもなかった。
ところが「ムーランルージュ」「華麗なるギャツビー(2013)」でも輝いていたバズ・ラーマン監督お得意のキラキラ演出が本領発揮すると、テンポよく進むキング・オブ・ロックンロールの物語にぐいぐいとノセられてしまい、歌手人生のハイライトというべき著名なライブ場面のいくつかにはすっかりノックアウトを食らってしまった。
リアルタイムで知るという意味ではトム・ハンクス40年超の俳優人生。今回はエルヴィスを見い出したマネジャー役、この執拗なまでの役作りにはただただ敬服。そして肝心のエルヴィス役にはオースティン・バトラーというニーチャン、もちろん迫真の大熱演、ただ逆に「あのエルヴィス役の…」という枕詞にこれから縛られなければと。
公開初日だけに劇場内は満を持してやってきた感のある、おそらくプレスリー世代だろう老夫婦が中心。終盤にはすすり泣きが聞こえ、そのひとひねりが興味深かったエルヴィス楽曲流れるエンドロールが終わった時にはあちこちから拍手。字幕監修はきっちりあの女史、それにしてもステージのエルヴィス、マジでカッコいいですね。
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