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2022年06月04日15:15

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「君を想い、バスに乗る」〜英国縦断乗り継ぎの旅

スコットランド北端に住む老人トム・ハーパー。愛する妻に先立たれた彼は独りローカルバスを乗り継ぎ英国本土を縦断、イングランド南東端の果てランズエンドを目指す。広げた地図をたたむにも思うようにならず、老人男性特有のガニ股歩き。トムの年齢ははっきり示されないが、ある若者とのやりとりにておおよその推察はできる。

いいひとはいいひとすぎ、悪い奴は悪すぎるような気もするが、旅の途上では実にさまざまなことに出遭う。英国公開は昨夏なのに、いまこの時こそと思える遭遇も。おりおりに回想(幻想)場面をはさむのはロードムービーの常套手段だが、今回は70年前とごく最近、ふたつの過去が交互に用意され、物語にふくらみをもたらしている。

さすがは英国紳士、長旅でもきっちりとオシャレに装うトム役にはティモシー・スポール。政治家役とか企業幹部役とか、どこかで見たことのあるような気がする個性派ベテラン俳優。ことし65歳というからこれでもけっこうな老け役、頑固一辺倒でなく愛嬌もあり、自分の身体を動かすにもままならないいらだちを巧みに表現している。

いかにもイマ風なある展開が伏線となって、エンディングまでの興味をつなぐ。思ったほど大仰な結末にならなかったのは英国映画特有の思慮深さが働いたせいか。原題は「The Last Bus」、代わる代わる登場するバスは実に多種多様、(そんなひといるかどうかわからないけど)英国バスマニアにとっても興味深い一本となるかもしれません。


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