正式名義は”Eiko Ishibashi Band Set “。濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」の音楽を全面担当した彼女。日本のインディーロックシーンを下支えしてきたそのキャリアを知ったかぶりしてもしかたないので、とりあえず身近なところではNHK不定期バラエティ「おげんさんといっしょ」星野源の後ろでキーボードに向かうひと。
ジム・オルーク(g)をはじめホーンふたりをふくむ5人組バンドを率いてBBL初登場。まずは彼女が一躍脚光を浴びたそのサントラ盤からの3曲。その曲が流れた各シーンが脳裏にくっきり蘇ったとまではさすがに言えないけど、あの長尺作品全体に漂っていた、淡々とした時間の流れみたいなものは十分に伝わってくる。
中盤では彼女自身によるボーカル、いくつかの幻想的な歌入り曲を筆頭に、ときおりピアノの前を離れてフルートを手にしたりとマルチプレイヤーたる彼女の本分を発揮、さすがにこの日は叩かなかったけど、その音楽的出発はドラミングだったなと。そして静かに始まった感のあるバンドのグルーヴも徐々に熱を帯びてきた。
後半からアンコールにかけてのインストナンバーは、インプロヴィゼーションに近い展開。音の連なりが作り出す風景とはどんなものか〜まるでこちらの想像力を試されているような感覚に。まちがいなくこれからの創作活動は世界的な拡がりとなる存在、この夜がとても貴重な体験だったと言える日はそう遠くないなと確信しました。
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