高層住宅が連なる再開発エリアが舞台、モノクロームによってあぶり出された現代フランスの恋愛模様。13区はパリの地図を広げたとき右下あたり、観光客相手のオペラ座界隈や地元民相手のベルヴィル地区より、ずっとお安く中華料理が味わえると聞いて何度か行くも、お店を切り盛りするのはことごとくベトナム人だった記憶あり。
中国系パリジェンヌのエミリー(ルーシー・チャン〜洞口依子やや入り)、高校教師の黒人男性カミーユ、そして大学復学のため地方都市から出てきた白人女性ノラ。人種の異なる3人が織りなす三角関係…と言いたいところだが、そこに対立構造はほとんどなく、何より本来なら中心軸となるべきカミーユにそこまでの存在感はない。
むしろ極端なまでに現代的ないまのパリをベースにした、エミリーとノラそれぞれの女性の生きかた、その平行描写がこの作品の味わいどころ。群像劇とするにはその対象は少なすぎるが、都会に生きる人間の不安と葛藤をベースに、現代社会の断面を切り取ったという意味では昨年の日本映画「スパゲッティコード・ラブ」を思い出させた。
このところ「オートクチュール」「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」と現代フランスを生きる女性を描いた作品を続いて観たけど、ホントこの国は自己主張が強くないと生きていけないなと今回あらためてしみじみ駆られた次第。ほとんどポルノ作品と言っていいほど、必要以上に性描写が多いのでそのあたりが苦手なかたは覚悟のほどを。
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