レオス・カラックス監督最新作。米バンド・スパークスが制作した楽曲をベースにしたミュージカル。常に世間の注目を集めるカップル、売れないスタンダップコメディアンのヘンリー(アダム・ドライバー)とトップクラスのオペラ歌手アン(マリオン・コティヤール)。ふたりのあいだ生まれた女の子アネットは天賦の才に恵まれ…。
…などという筋書きはいちおう存在するものの、作り手がその場で思いついたアイデア(これが面白いんだけど)を次々と実験的に放りこみ、強引につなげているような全体の印象。観る側をほったらかしにしたまま作り手だけが楽しんでいる感も。さらにそこかしこに漂うのは”性悪説”に基づいた人間描写、これぞダークファンタジー。
おそらくのちのち”怪作”と呼ばれることになるだろう140分。よく言われるミュージカルにたいする違和感よりも、カラックス監督独特の風合いが苦手なひとにとってはやや冗長な時間となるのでは。歌って踊ってほとんど出ずっぱりのアダム・ドライバーには、熱演・好演という言葉よりもまずはお疲れ様と言いたくもなり。
日本人俳優3名の出演はあとから知ったのだけど、あれ、○○に似たひとが出てるなあと思っていたら、本当に○○だったのにはビックリ。それにしてもスパークス、21世紀のいまこうやって脚光を浴びるとは。来週には自身のドキュメンタリー(エドガー・ライト監督!)が公開ということで、そのあたりに関してはまたそのときに。
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