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2022年03月15日18:00

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「金の糸」〜まずはジョージア史ありき

ジョージアの首都トビリシで暮らす老齢の女流作家エレナ。ある日同居する娘から、姑であるミランダにアルツハイマーの兆しがあるので、ここに呼び寄せることにしたといきなり切り出された。ミランダという女性はかってソ連邦の政府高官、とまどうエレナのもとには、時を前後して若き日の恋人アルチルから数十年ぶりの電話が…。

ジョージアを代表するラナ・ゴゴべリゼが監督。タイトルは壊れた陶器を修復する日本独自の技法”金継ぎ”に用いる素材から。日本人としては面はゆく、前宣伝でも大きく取り上げられているが、実際劇中での登場はごくわずか。ただこの作品の象徴であり、人間関係の修復を意味するメタファーとなっていることは誰の目にもあきらか。

やっぱりソ連の構成国だった時代から現代にいたるまでの、ジョージアの歴史を前もってある程度予習しておいたほうが、何気ないセリフひとつとってみてもその背景が理解できて深く味わえるかなと。何も知らず観ると、ドラマチックなシーンはさほど見当たらないので、おそらく平板な老いらくの恋物語のままで終わってしまいそうな。

案の定、上映後の岩波ホール内ロビーでは壁一面に貼られたジョージアという国家の概説パネルを前に、観たばかりの作品の背景となった史実を確認するひとが何人も。まあ長い歴史の幕をまもなく閉じるこの老舗ホールでは、今回の物語に限らず上映作品すべてに、こういう親切かつ丁寧な解説がなされてきたのだろうけど。

【そのパネルのなかに”都内で味わえるジョージア料理”という案内があり、そのひとつに先日訪れた京都のウクライナ料理「キエフ」の姉妹店「スンガリー」が。後日新聞にて知ったのだけど、私がお店でウクライナの件をいろいろお聞きした経営者・加藤氏というのは、なんと歌手・加藤登紀子のお兄様だった!】

3月8日付 朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASQ376K11Q33PTIL022.html
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