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2022年02月26日15:45

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「ゴヤの名画と優しい泥棒」〜品位とユーモア、これぞ英国

実際に起きた名画盗難事件をもとにしたヒューマンドラマ。60歳のタクシー運転手ケンプトン(ジム・ブロードベント)はロンドン・ナショナルギャラリー所蔵のゴヤ作品「ウェリントン公爵」強奪計画を進める。絵画返却と引き換えに、全英年金受給者のBBCテレビ受信料をタダにしろという要求を英国政府に突きつけるために…。

舞台は1961年イングランド北東部の町ニューキャッスル。北西部の港町から4人の騒がしい若者がブレイクする直前の地方都市、どことなくのんびりしつつ古き良き英国の香りも残っている。へらず口を叩きまくるケンプトンを筆頭に“芝居がかった”ユーモラスなセリフのやりとりが続き、物語はテンポよく進んでダレることがない。

舞台がロンドンに移るとスクリーンは一気にスタイリッシュ、当時の街並みの再現度にはワクワクする。ケン・ローチ監督“ダニエル・ブレイク”そのユーモア版というべきケンプトンだけは相変わらず好き勝手なことをしゃべってはいるが、終盤に向かうにつれて物語のテンポはややスローダウン、その分しみじみさせるセリフが頻出する。

監督は昨年9月65歳の若さで亡くなったロジャー・ミッシェル。法廷ものの常道とはいえ物語が二転三転するラストの10数分は、妻ドロシー(名優ヘレン・ミレン!)の存在感もグッと増し、感涙の気持ちを抑えることができない。最後に大きな遺産を残してくれた監督、英国特有の品位とユーモアを十分に堪能できる作品となりました。


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