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2022年02月13日20:12

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ロックは“巣立ち”の音楽なり ( 映画『ロスバンド』)

一昨年に観た『カセットテープダイアリーズ』で印象的に流れたブルース・スプリングスティーンの「Independence Day」を思い出さずにいられない。
ということでの日記タイトルなのですが、とても良く出来たロック映画にして、心和むジュブナイル(青春)ストーリー。

舞台はノルウェー。おそらく15歳くらいであろうグリムはドラムに励むバンド少年。親友でギター兼ボーカル担当のアクセルとともにあるロック大会に出場するため練習に勤しむ日々を送っていた。
2人が名乗る「ロスバンド」というのは、「ロスのバンド」という意味ではなく、「LosBando」というバンド名。
グリムはアクセルの音痴が気になって仕方がないが、それを言い出すことができない。
出来上がった演奏にデジタル補正を施し(そんなデバイスがあるとは!)、念願の大会出場権を手に入れたものの、バンドにベーシストがいない。そこで募集してやって来たのはなんと9歳のチェロ奏者ティルダ。
彼女は素晴らしい腕前の持ち主だが、学校からはなぜか爪弾きにされていた。その鬱憤で加入を望んだのか。
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ともかくもバンドの体裁を整えた彼らは、近所の自動車工場の息子マッティンを頼んで出発する。目指す開催地は北の果ての町トロムソ。

そもそもが「子ども映画」だからか、中盤まではかなり「ヌルい」感じ。
あぁこれは今ひとつかな・・・?と思いきや後半からロードムービーらしいコミカルさを含めた意外な展開が待ち受け、そこにスリルもたっぷりで、どんどんと熱が高まっていくのが素晴らしい。
そこで謳われるのが冒頭述べた自立へのメッセージということだ。
旅とバンドは人を逞しくし、自立と自由への入り口を見出すことができることを。
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何より、マニアックなネタをひけらかさなくても、ロックスピリットに溢れる作劇感が良かった。それもそのはず、監督のクリスティアン・ローも十代の頃にバンド活動をしていたロック好き。そして今は子ども映画の名手と言われてるそうだ。

だから劇中、次から次へと“ノルウェーロック”が流れるのも見どころかも。
そのうち2曲を。

「ヘラコプターズ」
https://youtu.be/TFKwzZEzbX8


「モーターサイコ」
https://youtu.be/f1KJ3PLYDE4
【予告編】https://youtu.be/t-80nlswMow

フォト〈シネマート心斎橋で公開中〉

これを観終わった後に、TOHOシネマに移動して『ゲット・バック』を続けて観たのだから、これはなかなか良い並びだと思った(笑)


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