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2022年02月12日13:10

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1518

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1518        

寺地はるな 「大人は泣かないと思っていた」  

この作家の作品を読むのは初めて。1977年生まれと
いうから40代半ば。2014年のデビューらしいが、
既にかなりの作品が出版されていて、かなりの
読者がついているのだなと思う。

作品の内容だが、小野寺史宜に似ていると思った。
登場する人たちはごく普通の人たち。特に人生の
大きな目標があるわけではない。だが、なかなか
自分が目指す結婚や仕事にありつけるわけではない。
また、家庭内や職場など人間関係も大変で、
毎日の生活も楽ではない。

本作品は7編の短編集だが、7章建ての長編小説と
思ってもいいだろう。舞台は九州の田舎。市町村
合併で一応都市なのだが、実質村と呼んでよい場所。
主人公は32歳の男で農協勤め、その親友は小さな
工務店勤め、そして主人公のガールフレンドは
ファミレス勤めだ。

1章は主人公がガールフレンドとなる女の子と
知り合う、2章は母親が再婚した女の子の
義父との関係、3章は主人公の友人の話で、
離婚歴のある女性との関係・・・と続く。

この作品のテーマは何なのだろうと考えて
みると、なにかと一人で自己責任をとらされる
世の風潮にあって、もっと人を頼っていいんだよ
というのが一つ。もう一つは、世代間の価値の
違いが指摘され、団塊世代に対しては若い世代の
価値をもっと理解してほしいという願いがある
ような気がした。

登場する人たちは、それぞれ年齢、性、家庭
環境が異なる。なので、いろいろなことに遭遇
しても皆同じように感じたり行動するわけでは
ない。だけど、一歩他人に近づくことで、もっと
一人ひとりは幸福になれるのではないか。そんな
メッセージを感じることができた。

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