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2021年11月19日17:10

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「フォーリング 50年間の思い出」〜悪態老人ここに極まれり

ヴィゴ・モーテンセン初監督作品、半自伝的な内容ということで脚本も担当。パートナーの東洋人男性エリックそして養女モニカと暮らすパイロットのジョン(ヴィゴ・モーテンセン)は、認知症を患う父親ウィリスを田舎から呼び寄せる。超保守的な父親にずっとわだかまりを感じていたジョンは、気持ちの隙間を埋めようとするが…。

認知症というよりむしろ持って生まれた性質だろう、下品な罵詈雑言を重ねるウィリスの悪態ぶりが凄まじい。頑固で言葉の汚い老人は古今東西定番キャラだがまさにその究極形、字幕のほうが気を遣っているようにさえ思えてくる。本来なら楽しき宴の場も、彼の悪辣な言葉のせいで何人のひとがテーブルをあとにしただろうか。

基本的には舞台劇のようなジョンとのやりとりを味わうべき作品だと思うが、ここはほとんどウィリスの独壇場、気になったので彼を演じたランス・ヘンリクセンというあまりなじみのないことし81歳になる老優を調べてみたら、過去「狼たちの午後」「未知との遭遇」「ターミネーター」「エイリアン2」といった名作に出演していた。

認知症の父親というテーマでは、その疑似体験ができるということでアンソニー・ホプキンス出演「ファーザー」が話題となったばかり。今回の作品でも、美しい自然描写とともに過去の出来事がウィリスの意識にまだら模様に混じり合う。彼の悪態こそが米国超保守主義者の心情を代弁していると解釈するのは考えすぎかもしれないけど。
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