いきなりスクリーンに現れる”In the memory of NON-MASKING WORLD”という文言が印象的。細野晴臣2019年のニューヨークそしてロサンゼルス公演の模様を中心にとらえたドキュメンタリー。監督は同じく細野を追った2年前の「NO SMOKING」そしてPerfumeの世界ツアーを記録した映画作品も担当した佐渡岳利。
若いミュージシャン4人をしたがえ淡々とプレイする細野。そのほとんどがゆったりとした古き良きアメリカ音楽。ライブ会場に集まった現地観衆は、おそらく耳の肥えた好奇心旺盛な連中ばかり。彼らにとって、この日本からきた老境の域に達した男が歌う、自国のルーツ・ミュージックははたしてどのように聞こえるのだろうか。
1947年生まれの細野晴臣は、戦後の日本に押し寄せたアメリカ文化の影響をモロに受けた世代。その豊潤な文化のエッセンスを長らく熟成させておいて、いまここでヤングアメリカンズに恩返ししているというのは言いすぎか。楽屋には米国音楽の伝道師たる面々が訪問、なかには懐かしい顔がスプーン一杯の愛を届けに来たりも。
ほぼ真っ白の後ろ髪をかなり長く伸ばしつつ鳥打ち帽、先週末に武道館で見た細野氏は、リハーサルをサボっちゃったと臆せず口にしたりであいかわらずひょうひょうとした印象。きょうから梅田のほうで「細野観光 1969-2021」という、彼の歩みをたどった展覧会も始まった様子、時間を作ってぜひ見に行こうと思っています。
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