君の心を二つください

好きだ
小学生の頃からずっと
君のことが好きだ
君を思いすぎて
甘酸っぱさから甘さを失ってしまった心
ズタズタになりすぎてジャムのようになった心
君の中心にコピー＆ペーストしたい

だけども君はいつも
僕を見てくれない
誰かを思い出そうと
手折った桜に唇を寄せるばかり
その彩に勝るほど頬染めて

君のことを忘れようとした
自分自身を変えようと決意し
甘さを絶ってから僕は
君の傍にさえ寄らないと
そう心に決めた
でないと
醜悪に太っていくばかりだと気づいて
でも
君を思うと
甘酸っぱい気持ちでいっぱいになる
涙にも似た透明な雫で
唇の奥がいっぱいになる
発音できない感情
これはきっと
悲しみなのだろう

お願いだ
惑わさないで
大粒の涙はもうごめんだ
その美しい横顔で
僕に希望を与えないでほしい
さもなくば
君の心をください
暁よりも丸く
どこまでも甘い
君の心を
二つ
僕にください

二つともください
一つでは到底
君を渇望する想いの激しさを
満たすことができないから