吉本ばななの原作は未読だけど、小松菜奈と宮沢氷魚の共演ときくと、日本映画お得意のリリカルな恋愛ものかという先入観。ところが監督は日本文学に精通し村上春樹や川端康成も読破している、エドモンド・ヨウというマレーシア人ということでがぜん興味。ちなみにタイトルはあの洋楽名曲から、吉本ばなながインスパイアされたと。
郊外の河原で知り合ったさつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)は恋におち、やがては等の弟・柊とその彼女・ゆみこを交え、そろって食事にゲームに幾度となく楽しいひとときを過ごす。ところがその幸せな日々を引き裂く出来事が4人に降りかかり、哀しみにくれたさつきは麗(臼田あさ美)という不思議な女性と出会う…。
監督は日本文学を愛するがあまり、原作に忠実でありすぎたのかも。まさに”行間を読む”ことを強いられる、観る側にとってはあまり親切ではない作品。後半にすすむほど小松菜奈のイメージ映像を見るような印象、そのぶんふだんは無表情がウリの彼女が(ヘアスタイル等の影響あるも)実に豊かな表情を持っていると判ったけど。
あと、柊・ゆみこを演じた佐藤緋美(浅野忠信とCHARAの長男!)と中原ナナ(モデル出身ハーフ)という強烈な個性と出会えたことは収穫。光と風と水の流れ、そしてタイトルどおり月光がつくる影、繊細な自然描写は特筆したいけど、最初の表現をそのまま引用すれば、ちょっとリリカルが過剰だったかなというのが正直な印象でした。
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