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2021年08月17日16:00

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「かば」〜1985年夏、大阪・西成

大阪市内西成区の北西部、あえてセリフの一部を引用すれば「在日と部落と沖縄しかいない町」にある公立中学校。多くの問題を抱えた環境で、投げやりな日々をおくる生徒たちと真摯に向き合った蒲(かば)先生。2010年に58歳の若さで亡くなった、実在の教師をモデルにしたドラマ。製作者や出演者には地元鶴見橋中学の卒業生が多数。

映画化を前提とした取材開始が7年前、2017年にはパイロット版を完成させたとわざわざエンドロールで謳うぐらいなので、ここにたどり着くまではかなりの紆余曲折があったと想像できる。あまり深くは書けないけど、おそらく当初はかば先生(山中アラタ)ひとりを、もっと前面に押し出した熱血もの作品だったのではと邪推する。

各生徒がそれぞれに問題を抱え、かば先生以下教師陣が真正面からそれらと対峙するのだけど、1話完結の青春ドラマのように、大きなうねりとともに着地するような結末が待っているわけでもない。そう、実際学校生活における厄介事などというのは、一件落着なんてことはほとんどなく、ほころびを縫いながらの日々が続くものだし。

なのでこの完成形は、できる限りリアルに徹したということで前評判が高いのだろうか。そしてここで提示された諸問題は、40年以上経ったいまでも未だ残存していると、観る側はいやがおうでも意識することになるし。劇場の音響のせいか、セリフの滑舌が良くないのか、せっかくの名フレーズがよく聞き取れなかったのが残念でした。

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