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2021年08月09日17:14

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映画愛に燃える、夏 ( 映画『サマーフィルムにのって』)

予告編を観た時から良作の予感はあった。
そもそも昔から、「映画を作る映画」は大好きで、外れは無いと思っていたし、
それが当たっていただけでなく、あっと驚く嬉しい意外さもそこに。

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〈あらすじ〉
高3の女子で映画部員の“ハダシ”は時代劇が大好きだが、花形部員の“花梨”が取り仕切って作るのはキラキラ系の青春映画。
彼女は自分が撮りたい時代劇のプロットは温めてはいても、制作する気にはいたらずくすぶっていた矢先、主人公役にぴったりの理想的な男子“凛太郎”が現れる。
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彼との出会いに運命を感じたハダシは、幼なじみの“ビート板”と“ブルーハワイ”を巻き込み、変わった生徒たちばかりのスタッフを集め、バイトで資金を作り、いよいよ映画制作に乗り出す。
文化祭での上映を目指して順調に制作を進めていくハダシたちだったが・・・

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予告編から涙ぐましい思いにさせられたのは、で“ハダシ組”が撮影するカメラがiPhone!
それに自撮り棒を付けて、カチンコも無しで撮るなんて、なんと便利な時代になったものだと。そういうアプリもあるのか?それが果たしてどこまでリアルなのか?しかし実は、映画部の「本隊」が使っているのもデジタル一眼の動画モードでだったりする。
もうひとつは編集作業がどれだけ大変で大事なのかも描かれてたりする。
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だけどこれはあくまで些細なこと。実は本作、映画を作り上げる奮闘記だけにあらず、そこにはハダシが激しく悩む時代劇のほんとうの美学は何か?そして反則まがいの(笑)驚きの急展開が問いかける映画そのものの価値(映画は死なない!死なせてたまるか!)のメッセージもそこに込められている。

ハダシ役の伊藤万理華の存在感がほんとうに素晴らしい。
劇中でいちばん小柄でおぼこい(子供っぽい)彼女だから逆に、映画に立ち向かい、時に身悶えするほど悩み倒す熱さが輝いている。
そしてここだけネタバレをお赦しいただきたいが、彼女は長じて名監督になるのが後に判る。なるほどその萌芽がここにあったのかとも。

変化球だけでなく、小技も含めて青春映画としての妙味がいっぱい。ほんとうに熱く絆される思いでした。

【予告編】https://youtu.be/d335TxPwOEY

〈シネリーブル梅田で公開中】
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