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2021年08月07日14:50

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「サマーフィルムにのって」〜映画を愛する青春、令和篇

時代劇マニアとりわけ勝新太郎をこよなく愛する女子高生ハダシ。映画研究部の一員である彼女は、文化祭向けに撮影が進む青春キラキラムービーがどうしても受け入れがたく、仲間を集めて自らメガホンを取り時代劇の製作に着手する。やがて主役にふさわしいイケメン凛太郎と巡りあうも、彼は大きな秘密を抱えていた…。

これは思わぬ傑作に巡りあったというのが正直な感想。物語が予想外にも非現実な方向に傾いていき、ふつうであればやや気持ちが冷めていきそうな展開でも、出演者たちのパワフルなふるまいに圧倒されて思わず前のめりになってしまった。小ネタがことごとくあとから効いてきて、映画を実によく知っている作り手だなあと感心もした。

なんと言ってもハダシを演じた伊藤万理華(元・乃木坂46)の、みずみずしい原石感が最大の魅力。エネルギッシュに変化するその表情が愛おしく、ひなびた名画座の座席で時代劇上映を待つワクワク顔がベストショットかな。これは新人女優賞当確かと思ったら、すでにけっこうな出演歴、こうなったら主演女優賞にノミネートか。

学園物・恋愛物・時代劇・SFをすべて包みこむ映画愛が素晴らしく、昭和の高校映硏部員だったこちらとしては、同じように文化祭向けの映画製作に勤しんでいたあの遠い夏を想ってしみじみ…という私観をいっさい抜きにしても、とにかく映画を愛するひとすべてに観てほしい、この夏の大収穫と断言していいと思います。

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