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2021年07月07日11:42

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片山杜秀著「尊王攘夷」を読んで



照る日曇る日第1600回

好奇心旺盛で百学連環、博覧強記の著者であるが、本書のエッセンスは、水戸学の本質を剛速球で単刀直入に抉るよりも、大宅壮一の顰に倣って、スローカーブを交えた多種多様な切り口で、水戸学400年の歴史に、戯れながらアプローチすることにあるのではないやろかな。

さりながら、尊王攘夷の元祖ともいうべき水戸藩が多くの逸材を擁しながらも肝心要の幕末から明治維新にろくろく活躍できなかった理由は、水戸激派、水戸右派、極右体制派の3つ巴の内ゲバとそれらを統率すべき阿呆莫迦「よかろう様」徳川慶喜の無能と無責任にあると知っている人も、この本を読むと、その実体が手に取るように理解できるのである。

水戸藩が潰れようが、400年の歴史を閲しようが、三島由紀夫が天狗党大乱に憤死した先祖に殉じて七生報国の切腹をしようが、しまいが、お構いなく、「尊王攘夷」の精神は現在も確実に生き延びていて、例えば尊王であろうがなかろうが、邦人の多くはオリパラに来日した異人どもを、水際で実力をもって追い返したいと密かに願っているのであるんである。

    ビルマでは命懸けの行為なりそっと立てたる3本の指 蝶人

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