ボクはキミを食べる
キミを食べる
キミの弱いところを食べる
キミの傷を食べる
キミの悩みを食べる
キミがまたもとのように笑えるまで
ボクはキミの痛みを食べる
キミの悲しみを食べる
キミの絶望を食べる
食べる
食べる
キミを食べる
キミの傷を食べると
ボクは傷付く
キミの悩みを食べ
僕は苦悩する
キミの悲しみ
キミの絶望で
僕のお腹はいっぱい
君が公園のベンチに座り
飛行機雲を指さして笑った
僕は絶望でいっぱい
君の笑顔
キミノエガオヲタベタイ
声がした
僕は目を閉じて
君に告げた
「もうお別れしなきゃ」
これ以上君を食べると僕は
きっと死んでしまう
あれは飛行機雲ではなく
ただの長い雲だよ
何も飛んでいないし
誰も何処にも向かっていない
愛していたのか分からない
こうやって君の前から消えればきっと
君の笑顔はもっと増えるさ
僕はこの街のどこかで
また
誰かの悲しみを食べるために
一人夜を抱く
触れえぬ
光り無き
虚空に
架空の体温を求めて
自分の悲しみを誰かの悲しみで紛らわせようと
口をパクパク動かして
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