笑福亭鶴瓶を17年間撮り続けたドキュメンタリー。監督は多くのテレビ番組を手がけてきた山根真吾。すでに各媒体で報じられている公開にいたるいきさつやコロナ禍で苦境に立たされる映画館を救う配給システム。これって映画業界の側からもっと発起すべきことなのでは。もちろん鶴瓶は俳優としても素晴らしい作品を多く残しているけれど。
鶴瓶が本格的に落語、いや上方落語の最高傑作と言われる演目「らくだ」と向き合い始めたあたりからを追っていく。したがって「らくだ」そのもののルーツをたどる部分にも比重が置かれ、歴史ドキュメンタリーとしても通用、古典落語好きにはたまらないその掘り下げかたは、主人公鶴瓶のことをしばし忘れてしまうぐらい本格的なものだった。
その「らくだ」に取り組みながら、「鶴瓶噺」というライフワーク的イベントを続ける彼の人間離れしたスゴさを(もちろん週に何本のレギュラーを持つTVタレントとしての彼も我々は知っている)、落語界だけでなく芸能界各方面の顔ぶれが賞賛する。何度となくアップになる彼の人懐っこい顔が、いつのまにかこの作品タイトルのように思えてくる。
さて、ひとが”つるべ”と口にするときのイントネーション。東西での違いは”グリコ”のそれと同じ、まあいまに始まったことではないけど、平野区長吉の生家を訪ねるくだりで、ご近所の年配女性が関東風に”つるべ”と言ったのにはビックリ。もちろんそこ以外はベタベタな関西弁、これって大阪のおばちゃんならではのサービス精神なんだろうか。
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