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2021年07月02日16:00

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「アジアの天使」〜相互理解の旅はつづく

オール韓国ロケ。妻と死別した物書きの剛(池松壮亮)は、ひとり息子の学を連れてソウルへ渡る。「こちらに儲け話がある」と兄の透(オダギリジョー)がわざわざ呼び寄せたからだ。剛の視点で映るソウルの街は、ふだん我々が韓国映画で見るそれよりもずっと猥雑でザラついていて、どこか悪意のある撮りかたのようにさえ思えてくる。

一方、アイドルタレントとしての活動が上手くいかず、事務所との関係もこじれたソル(チェ・ヒソ)は、兄や妹とのこれからの生活を思うと気が重いまま。新たな商材を求めてソウルを後にした日本人3人と、母の墓参りのため故郷に向かう韓国人3人がふとしたことから遭遇、ここから物語はロードムービーの体を成してくる。

お互い懐具合にも気持ちにも余裕のない日韓6人での道行き。言葉が思うように通じないことで、ときおりギクシャクする瞬間を重ねながらも、それぞれの過去におけるあまり幸せとは言えない共通体験を見いだし、“天使“というファンタジックな存在をキーワードにして、それぞれの心の距離が少しずつ近づいていく。

この5月公開されたばかりの「茜色に焼かれる」ではコロナ禍の日常を誰よりも早く描いた石井裕也監督。製作は前後するもこんどは関係悪化する日韓関係に斬り込んだ。世の中の事象には、いてもたってもいられない表現者なんだろう。物語冒頭に何度かセリフとなる”相互理解“、はたして今回の6人はどこまで進んだのだろうか。
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