ホン・サンス監督最新作。夫が出張中のガミ(キム・ミニ)は、ソウル郊外に住む女友だち3人〜ヨンスン、スヨン、ウジン〜のもとをかわるがわる訪ねる。会話のなかでガミがくりかえし口にするのは「結婚して5年、夫とはいままで一度も離れることはなかった」そして「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」という夫の言葉の引用だった。
ふつうの街のふつうの住まいのふつうの会話を拾い上げるホン・サンス作品。今回もカメラがとらえたのは中流よりやや上の、そしてやや知的な都会のひとたち。こざっぱりとした部屋のなかで正対もしくは横並びで交わすガミと女友だちとの会話を、カメラはときおりズームインあるいはズームアウトしながら、じっと長く固定したままでとらえていく。
そしてガミの口から冒頭の言葉が漏れる。これが地雷となってふたりの会話にカドが立ち、劇的な展開となることを観る側は期待してしまうが、ふたりのあいだの空気にさしたる変化はなく、あいかわらず淡々としたままの会話が続いていく。なので観る側はそのやりとりの裏にある女性たちの微妙な気持ちの変化を読み取ることになる。
つまりこちらに要求されるのは想像力と忍耐力。鑑賞能力欠如を横に置いといて言うならば、77分という短尺作品ながらそれが限界ギリギリだった。もちろんガミと女友だち以外にも何名かの人物は登場するが、それが物語にどう機能したのかもわからない。まあこちら観る側としては失格ですね。現代韓国の都市生活ぶりはとても興味深かったけど。
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