録音されたのは昨年3月11日と13日、英国政府による全土ロックダウン勧告が3月9日。3月初めからスタートした英国内ツアーのフィナーレがこの由緒あるホールでの公演、そしてこのあと予定されていた欧州ツアーはすべてキャンセル。なのでこのライブ盤はコロナ禍ギリギリ直前、綱渡り的に敢行された貴重な熱狂の記録音源ともいえる。
代表曲ばかりをならべたセットリスト、その完璧度でいえば一昨年なんばHatchで観たライブのほうに軍配。ただここではVirginia Plain, Pyjamarama, Street Life, Same Old Scene…オールド・ロキシー・ファンからすれば身もだえするようなニクい楽曲の数々が聴け、いますぐにでもロンドンまで飛んでいきたくなってくる。
そして特記すべきはディランのカバーが2曲もあること。なんばHatchでも披露した「くよくよするなよ」そして97年「タイム・アウト・オブ・マインド」収録の「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」。かってディランのカバーだけで一枚のアルバム「ディラネスク」を作ったフェリー、そのディラン愛ここに極まれりという感がある。
クリス・スペディング以外には著名なバンドメンバーはいないように思うけど、個々のキャリアを知れば凄腕ばかりの印象。独特の浮遊感あふれるサウンドの上に、淡々と重ねられていくフェリーの歌声、本来のメロディをフェイクすることも多々、枯れた味わいに関しては以前よりグッと増した感のある18曲64分54秒でした。
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