1980年代、農業で一旗あげようと米国南部のアーカンソー州までやってきた韓国人一家。そこは農場というにはほど遠く、ほとんど未開の荒れた大地、さらに住まいはトレーラーハウスと逆境からの再出発。頼るのは一家の主ジェイコブ(スティーヴン・ユァン〜今回オスカー主演男優賞ノミニー)の持つ開拓精神そして家族の絆…。
予告編を見るかぎりでは、いかにも韓国人らしい荒っぽい気性の衝突、家族同士あるいは現地人との小さな諍いばかりが切り取られていたけど、実際の本編はもっと抑制された、セリフもカットも最小限に抑えた淡々とした流れが続く。そしてどこまでも果てしないアーカンソーの大空と大地が、その静けさをさらに強調する。
物語は家族に祖母スンジャ(ユン・ヨジョン〜韓国の国民的女優は今回オスカー助演女優賞ノミニー、前作「藁にもすがる獣たち」では最後に名ゼリフを吐く認知症の老女を好演)加わったあたりから急に活性化、彼女と孫のデビッドとの愛情あふれるやりとりを始め、後半は彼女の存在が起伏をもたらし物語を面白くしていると言っていい。
それなりのクライマックスは用意されているものの、すべてがきれいに決着するわけでもなく、むしろ物語を途中でぶった斬られた感もあり。さあ、この家族はこれから〜つまり韓国人が米国社会では勤勉の代名詞だった8〜90年代〜いかにして生き抜くのか、そこはやっぱり観る側の想像力次第という部分に帰結するのかなと思いました。
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