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2021年02月28日16:25

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ヒッチャー ニューマスター版

 今から35年前、今は亡き新宿京王で観た、伝説の不条理スリラー「ヒッチャー」。
 それがコロナ禍の今、ニューマスター版となって劇場で観られるなんて、もう、夢のようですな。

 ジョン・ライダーと名乗る男にひたすらつきまとわれ、おまけにハイウェイ連続殺人の犯人に仕立て上げられて警察にまで追われる羽目になる青年の、ちょっとシュールな受難劇。
 ライダーの粘着ぶりや嫌がらせのやり方が一歩間違えばギャグになりそうなくらい奇想天外で、そのむちゃくちゃぶりは今観ても色褪せませんね。もう、とっても怖くてとっても愉快。

 やはり本作の成功の最大の要因は、ジョン・ライダー役にルトガー・ハウアーを配したことでしょう。
 「ディズニーランドからやってきた、緑の目の悪魔」をこれほどまでに見事な存在感を持って演じられる役者は、そうはおりません。
 私が一番好きなのは、主人公のジム・ハルジーが疲れ果ててダイナーでひと休みするシーン。
 ジムの前にやってきたライダーが彼の前の席に座るんですが、へとへとになったジムは両手で顔を覆ったまま。自分をいたぶり追い詰めて来る化け物がすぐ傍にいることに気づきません。
 するとライダーは、「何だよー。オレ、目の前にいんじゃん。気づいてよー」とでも言いたげな顔をして、えへん!と咳払いするんですね。
 このシーンでのハウアーの芝居のキュートなこと!

 今まで知らなかったのですが、監督のロバート・ハーモンって元カメラマンだったんですね。
 ところどころ凄くカッコいい絵作りをしてるシーンがあって、それはきっと撮影監督のジョン・シール(「マッドマックス 怒りのデスロード」の人ですぞ)の手柄なんだろうと思ってたんですが、どうもそれだけではないようで。
 ライダーがガソリンスタンドを爆破し、炎の中から火だるまになったハルジーの車が飛び出してくるという激しくも美しいシーンも、ハーモン監督の美的センスの賜物だったんでしょう。
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