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2020年12月05日15:00

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「サイレント・トーキョー」〜現実世界の前には…

秦建日子のサスペンス小説を映画化。爆破予告あいつぐクリスマスイヴの東京。不審な男(佐藤浩市)たたずむ最初の予告現場、巻き込まれたのは取材のテレビ局員とひとりの主婦(石田ゆり子)。やがて犯人からは次なる犯行声明、それは夕刻18時ちょうど、若者でにぎわう渋谷のスクランブル交差点を爆破するというものだった。

いまや世界的に有名なランドマークである渋谷のスクランブル交差点は、栃木県足利市に再現した巨大なセットだという。その再現精度に度肝を抜かれまずは唸らされる。ハリウッド作品では巨費を投じた破天荒なセットがよく話題となるが、CG処理を上手く活用したこの渋谷の街再現は世界に誇っていいレベルだと思う。

ところがその製作にすべてのエネルギーを注入しすぎてしまったのか、肝心の人物描写のほうにはあまり深みが感じられない。主要登場人物それぞれがドラマを抱えるも、すべてボヤけてしまって相互の関連性もあまりくっきりとしない。なのでせっかくの政治的・社会的なメッセージも、どこか取ってつけたかのように感じたのが残念。

事件もの・パニックものの常套、ツッコミどころというか脇の甘さは顕在。まあいくらアホな日本の若者でも、あの状況であそこまで騒がないと思うけど。それともあれはいまの平和ボケ日本の比喩ということか、などと言いつつも、コロナ第3波が襲う現実の前においては、この非日常な世界はちょっと分の悪い展開だったように思います。

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