新宿武蔵野館で絶賛上映中の「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」。
先日、「大頭脳」ってのを観てきましたぜ。
ベルモンドをはじめとして、デヴィッド・ニヴン、ブールヴィル、イーライ・ウォラックが顔を揃えた、派手で奇妙奇天烈な泥棒コメディ大作であります。
いやー、これは愉快!
何がすごいってあなた、のっけから炸裂するギャグがもう、小学生並みのとてつもなくくだらないのばっかりなんですから。
特に冒頭、刑務所に入ってるベルモンドが石鹸と濡れ雑巾を使って看守にいたずらするシーンがあるんですけど、あんなこと、普通は大人の映画じゃやりません。でもこの作品はそういうことを大マトモにやってしまうのです。
また、ベルモンドが相棒のブールヴィルの協力で脱走する件りなんて・・・もう絶句。よくもまあ、こんなしょーもないことを考えたもんだワ、と呆れ返ってしまいます(ホメてます)。
先述のとおり、ギャグは思いっきりベタベタなんですが、泥棒映画としてのアイディアは奮ってます。
何しろ、ターゲットはNATOの軍資金なんですからね。
パリからブリュッセルに本部を移設するため、加盟各国から集めた供出金を特別列車に乗せて移送しようとするのを襲撃し、全額いただいちゃおうというのですから、随分と勇ましいオハナシ。
そして、それを狙うのが、我らがベルモンド一派ともうひと組、「ザ・ブレイン」と呼ばれる大泥棒と、彼とタッグを組んだシシリアン・マフィア。
後半ではこの2派がオタカラを奪い合うことになるのですが、ここから先の展開はまさに二転三転でして、楽しい事、この上無し。
ついでに言うとこの作品、モンキー・パンチの「ルパン三世」にかなり影響を与えてますね。大胆で荒唐無稽な盗みのテクニック、意味もなく絡んで来るお色気ねえちゃん、そして派手なスタントアクション。加えてちょっとおサイケな60年代的オシャレ感覚。正にこれはモンキー・パンチ的「ルパン」テイスト。さらに言えば、後半での車を使ったギャグなんかはアニメ版「ルパン三世」でもかなりいただいちゃってるところがありますね。
こういう、理屈抜きで気楽に楽しめるアクション・コメディってめっきり少なくなりましたから、本作みたいな楽しい旧作を定期的に上映してくれないものですかなあ。
「くだらない」ってホントに愉快!
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